【解説】日本が国内外で作った神社とその特徴と概要

最終更新日 2024年4月15日 by akasak

「神社の歴史に興味がある」
「三重県にある伊勢神宮について詳しく知りたい」
「神社本庁って聞いたことあるけど、何?」

日本では古くから、神道を重んじる傾向が強くあります。
これは古事記や日本神話にもつながるため、一種の自国の宗教といってもいいわけです。
神道とは天照大命を主神としており、三重県にある伊勢神宮が総本社になります。
この天照は天皇家の祖先でもあるため、皇族はすべて神道に則った規則を守られているわけです。
なお、多くの方が日本は仏教を自国の宗教にしていると思われていることでしょう。
実際は仏教国ではありません。
仏教が伝わったのは600年代の飛鳥時代であり、百済から移り住んできた渡来人によって伝えられたものです。
現在ではさまざまな宗派が確立をされていますが、寺院の数よりも神社の方がはるかに多くの数で存在をしています。
そして明治時代から昭和の初めまでは、国そのものが神道を掲げるようになった時代もあります。
ここではその歴史と、国内外で作られた神社の概要についても触れていきましょう。

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廃仏毀釈とは

まず廃仏毀釈という運動を聞いたことはありませんか。
江戸時代から明治へと時代が変遷する際に新政府によって行われた運動です。
江戸時代までは仏教を重んじる傾向が強く、当時の幕府も僧侶に対して寛大な恩恵を与えていました。
ところが尊王攘夷が実現すると、天皇が明治政府の象徴となったことで神道が重んじられるようになったわけです。
それに伴って寺院の取り壊しが相次ぎ、代わりに神社が設置をされました。
2021年現在で全国に計50万件もの数で存在をしていて、地域を管理する鎮守の役割も担っています。
1904年、日清戦争が勃発をしました。
日本と現在の中国との間での戦争で、見事に勝利をおさめた日本軍は台湾と韓国を自国の領土にされたわけです。
多くの日本人が台湾などに移住をすることになり、それと同時に神社も建設をされるようになりました。
これが国内外で設置をされた社であり、台湾では今でも地元の方々の手によって守られています。

すべての拝観所は三重県の伊勢神宮に向いている

この社の概要を見ると、国内にあるものと同様に鳥居を有していて住吉造りという社殿で構成をされているのがポイントです。
そして拝観所というものを設けていて、すべての拝観所は三重県の伊勢神宮に向いているという特徴も有しています。
なぜ伊勢神宮を見ることになるのか、それは天照大命を祀っているからです。
国内外そして国内にある社は、あくまでも神様の仮の住まいという位置づけとなっているものです。
その証拠に、社殿にあるのはすべて鏡のみで本来の三種の神器はすべて神宮に奉られています。
おまいりをするときは、社殿と拝観所の両方で手を合わせるのが習わしです。

台湾にある神社の概要

ここからは、台湾にある神社の概要を見ていきます。
台湾は1905年から1945年までの40年間は日本の領土でした。
第二次世界大戦後に中国に吸収をされましたが、1950年には蒋介石が率いる解放軍によって独立を宣言され、前身である中華民国となりました。
日本とは友好関係にあったので、韓国や旧満州のように社殿が取り壊されることもなかったわけです。
今は神道ではなく道教を伝える場所となっており、天照大命の鏡と共に道教の始祖も祀られています。
古式の住吉造りの社殿のまま活用されているのもポイントで、台北市の中心部に位置する総統府の裏に設置をされているものです。
六角形の形をしていますが、これは京都にある六角堂をそのまま模しています。
陰陽道の影響を強く受けていて、邪気を払う結界の意味もあるものとなります。

今現在の神社の在り方

ここからは、今現在の神社の在り方を解説していくことにしましょう。
先述したように、神道を重んじるための施設というのが、本来の姿です。
古事記と日本書紀に登場する神を各地の社で奉っていて、それぞれに意味のあるご利益を授けてくれます。
ところが今では、若い世代の間では無宗派というスタイルを貫く方が増加をしており、信心深い心と精神を有さなくなっているわけです。
この影響を強く受けているのが地域の鎮守であり、氏子がいなくなったことで村祭りを開催できないところも多くなりました。
神輿やだんじりをいうものをご存じの方も多いことでしょう。
この祭りとは、神様を崇めるための大切な儀式です。
多くの地域の人々が社に集い、笑顔で過ごす姿を神様に届けるための行事になっています。
開催をするためには氏子の協力がないと不可能なのもポイントです。
各自治体では、再び町おこしをするために町内会を結成して鎮守を守ることを奨励されるようにもなりました。
その秘策が町内会と鎮守の法人化であり、自治体では毎年法人に対して補助金を支給するようになったわけです。
神輿やだんじりの修繕にも助成金をだし、資金面でのサポートを徹底されるようになりました。

まとめ

神道の本来の在り方とは大きく様変わりをしましたが、神様に対しての感謝を忘れないというスタイルには変わりはありません。
今後も各地の社でお祭りを開催されることは確かで、大勢の方が楽しまれていくことでしょう。